FIFTHのスノーパンツプロジェクトは、2021年にオリジナルのスノーパンツを約1000本、アラスカのサープラスショップの倉庫で発見したことから始まりました。その後、各地でポップアップイベントを開催し、反響を受けてオリジナルを忠実に再現したモデルを自社で製作。この2年間で1500本以上を販売してきました。

そして今回、約1年ぶりにパターン・素材・シルエットを見直し、新型モデルをリリースします。オリジナルの持つ独特な存在感は活かしながらも、タウンユースに適したフィット感に調整し、日常での着用にも対応できるようにしています。

これまでに数千本のスノーパンツを販売してきた中で培った経験をもとに、「自分たちが今履きたいと思えるシルエットとディテールに整えたVer.2のモデルになります。

オリジナルのスノーパンツは、ECWCS（極寒地仕様）のゴアテックスパンツの上に重ね履きすることを前提に設計されていたため、単体での着用には向いていませんでした。

特に、股上やヒップ周りの極端な大きさはデザイン上の特徴である一方、日常使いには扱いづらさもありました。今回のモデルでは、こうしたオーバーパンツ特有のボリューム感やシルエットを残しながらも、日常のシーンに即した履き心地とフィット感を意識してデザインしています。

The FIFTH Snow Pants Project began in 2021 when we discovered approximately 1,000 original U.S. military snow camouflage trousers in the warehouse of a surplus shop in Alaska.

Following this discovery, we held a series of pop-up events across various cities. The enthusiastic response inspired us to faithfully reproduce the original snow pants in-house. Over the past two years, we’ve sold more than 1,500 pairs.

Now, for the first time in about a year, we are releasing a new version with updated patterns, materials, and silhouette. While preserving the distinct presence of the original design, we have adjusted the fit for modern, urban wear—making them suitable for everyday use.

Drawing on our experience of selling thousands of snow pants, we’ve created Version 2—a silhouette and set of details that reflect what we ourselves would want to wear today.

The original military snow pants were designed to be worn over ECWCS (Extreme Cold Weather Clothing System) Gore-Tex trousers. As such, they were not suitable for standalone wear. Their extremely deep rise and oversized hips were key design features, but they posed practical challenges for daily use.

This new model retains the volume and silhouette characteristic of overpants, but reimagines them with a refined fit and comfort tailored for life in the city.

Fifth - Arctic Snow Camouflage Trousers

Size : S , M , L

Col  :  Black , Deep-Navy, Dark-Plum, Mud-Brown, Deep-Moss, Smoky-Quartz, Cement-Grey, Light-Greige, Fog-Blue.

Price : ¥19,000 + Tax 

2002年に出版された『スーパーモダン・ワードローブ』（著：V&Aキュレーター アンドリュー・ボルトン）は、90年代後半に台頭した機能性重視のテックウェアを“スーパーモダン”という視点から体系化した書籍です。

今回のスノーパンツは、その思想に着想を得て、90年代のテックウェアを再解釈した全9色で構成。都市空間に溶け込むカモフラージュとして機能する、実用性と存在感を併せ持つカラーパレットを製品染で仕上げました。

Andrew Bolton

The Supermodern Wardrobe (2002’)

The Supermodern Wardrobe explores how early 21st-century fashion responds to urban life, blending technology, function, and identity in innovative clothing design.

米軍の白色スノーカモパンツは、1950年代の朝鮮戦争期にM-1950として導入されて以来、改良を重ねながら現代まで各時代・各部隊で使用されてきました。

実戦で大規模に使われることは多くありませんが、冬季戦闘訓練、極寒地での演習、基地警備、捜索救難活動などあらゆるコンテクストで活躍しています。

1960年代から1990年代にかけて米軍が使用したのが、雪上迷彩用オーバーパンツです。主な型式はM-1950とM-65で、極寒地用に設計され、上から重ねて着用するカバーオール型。M-65型は1969年に初生産され、1999年まで供給されました。

スノーパンツが再び脚光を浴びている背景には諸説ありますが、その源流は90年代後半のリバイバルにあると考えています。

当時はカーゴパンツブームの延長で、英国発ブランド**Maharishi（マハリシ）**がスノーパンツ「SnoPant」をリリース。セレブからストリート層まで幅広く支持されました。マハリシが展開していたテックウェア的デザインは、今ではアーカイブとして高額取引され、再評価が進んでいます。そのデザインを生み出したのが、後にNikeやGivenchyでも活躍するトニー・スパックマン。まさにこの時代を象徴するキーパーソンでした。

2017年頃からは、90〜2000年代初頭のアーカイブ人気と古着ブームの高まりも相まって、スノーパンツやテック系アイテムは再び注目され、多くの古着店で扱われるようになりました。

特にオリジナルUS軍スノーパンツの魅力は、オーバーパンツ特有の極端なボリューム感。ヒップ・股上・ワタリ幅など、通常では見られない膨らみが着用時に極端なシルエットを生み、SNSで拡散。**“異常な大きさ”**が却って新鮮な魅力として受け入れられました。

ただしオリジナルは、本来ECWCSのGORE-TEXパンツ上から重ね履きする構造のため、1枚での着用は可動性やフィット感に難があり、日常使いには不向きでした。

今回のVer.2では、そのデザイン性を残しつつ、タウンユースに合わせた現代的なパターンとフィット感へアップデート。股下のバランスやヒップの丸み、ワタリ幅を再構築し、今履きたい一本に仕上げました。

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